RPAブームを考察する
2017年頃から日本ではRPAというワードが、IT分野において流行りました。現在も様々なところで、人材不足問題と併せて取り上げられています。
さて、RPAとは?これ、製造工場に置き換えれば、ほぼ産業用ロボットと同意義になります。つまり、オフィスワークにおいて人間がやっていた定型業務を、ソフトウェアが実行するというものです。よく勘違いされがちですが、AIとしての機能は入っていないものが基本です。一番大きなメリットは、人的ミスを無くして作業効率の大幅なUPということでしょう。コンピューターは人間の数倍で処理をしてくれますし、ソフトウェアなので24時間働かせることも可能です。ですので、 導入を検討されている企業様も多く いらっしゃるかと思います。
そこで1つの疑問です。ITって、ソフトウェアって、そもそもそういう用途に使われるものなのではないですか?極端な話、ExcelのマクロもRPAの一種だと思うのです。RPA導入の検討も良いですが、もっと基本的な業務フローに沿って考え、本当にそのようなソフトウェアが必要か?一旦考えてみてください。RPAを否定するということではなく、貴社の目標がしっかり見えていれば、自ずと導入するべきものが明確になってくるということです。
そこでおススメしたいのがG Suite。RPAのようにアプリケーション間の作業を自動化するスクリプトが簡単に書けるGAS(Google Apps Script)を使う事により、様々な業務フロー、ルールに則った個々人の作業を自動化することが出来ます。例えば、メール(Gmail)に添付されてきたファイルは自動的にドライブ(Google Drive)に保存し、且つ所属するグループ(部署)のメンバーに共有し(もしくは共有フォルダに保存する)、リーダー(上長)にメールやメッセージ(Slack等の外部サービスとも連携可能)で報告が飛ぶ。これだけでも手を動かす時間が全く無くなるので、5~10分、もしかすると30分くらい、無駄が無くなる可能性があります。
この業界で働いていて、いつも感じることは、あまりにも流行りのキーワードに皆が流され過ぎているな、ということです。もちろんトレンドの認識は重要ですが、上っ面の言葉だけで右往左往するのはどうなんでしょうか。クラウドにしてもそう、アプリにしてもそう、RPAにしてもそう。既成の技術であり概念を、言葉が置き換えられると敏感に飛びつく。だから世界に水をあけられているのではないでしょうか。まずは自身にとって、いま本当に必要なものは何なのか?それを見極めた上で仕組や製品を導入していくべきだと思います。