経営者が一番気にしなくてはいけないこと

いわゆるITシステムを導入していない小規模事業者でも、さすがにPCを使用して、オフィスソフトで資料作成や情報管理をされていると思います。ところが、各社員が作成、使用し、本来なら会社全体で共有するべきファイルの管理について実施出来ていない企業、特に5~30名程度の規模では多く見受けられるようです。

一番問題な点は何か?データが個人に依存して管理されているため、その人が居ないと誰も利用することが出来ないことです。酷い場合、その人がある日突然退社してしまった場合、引継ぎが全く出来ずに、後任者がゼロから作り直すという無駄な事例もあるようです。

別次元での問題事例としては、データであるのにわざわざプリントアウトして紙で保管をしている事業者も。データは更新されるが、紙は更新されない。どっちが正しいのか?それを作った本人しか分からず(酷い場合は本人も忘れている)、やはりその人が居ないと業務は保留状態になってしまいます。

ですので、是非ともファイル共有システムを導入し、権限も含めて管理された方が良いですよ、という提案をよくするのですが、「今のところ問題は起きてないから、まだ大丈夫」という返事をよく耳にします。自身や家族に対しては多額の保険料を払っているのに、事業継続に重要なデータに関しては全く無頓着な経営者が多いようです。

得てして、日本国民は何かが変わることに対して、まずは抵抗を見せます。少して試してみて取捨選択するという判断は無いようですね。保守的な農耕民族なので仕方がないのかもしれませんが、グローバル経済と呼ばれて久しい現代社会において、だから外資企業の周回遅れを走っているのではないでしょうか。

現代における会社経営で、ITを無視することはほぼ不可能に近い状態です。そしてITは便利なツールとして利用するものであり、業務を効率化して働き方を変えてくれるものです。また時には外部の脅威から防御もしてくれます。ITはセキュリティが不安?私に言わせれば人間の方がよほど脆弱で、性善説で片付けようとすることが一番の脅威だと思います。

まず、我々はIT後進国に生きていることを自覚し、世界が当たり前に使いこなしているITを、少しずつでも良いので使いこなせるように努力することが大事なのではないでしょうか?そうでないと、いつ事業継続の危機に直面するか分かりません。