変われるか?日本の働き方

昨年の4月より順次施行されている働き方改革関連法。今年から中小企業に対しても実施の義務が課せられる法案もいくつかあり、その対策に奔走されている方も多いかもしれません。とはいえ、毎度お馴染みで、抜け穴だらけの法案がどこまで効果を発揮するか?疑問は拭えません。

しかし、どうして日本は労働時間が長いのでしょうか?これは一重に昭和の行動経済成長期を体験してきた上長や経営陣が、働く時間を評価に繋げていることに起因しているのではないでしょうか。もちろん、少しづつ変化はされていると思われますが、なかなか新しいものを取り込むのが下手な日本人ですので、根本のところで変わることは難しい思われます。

どんなに法整備されたところで、抜け道があり、それを探す人がいれば実現は出来ませんね。抜け道を探す前に、根本的に視点を変えないと難しいのではないでしょうか。

日本人はドイツ人の3倍長い時間働くが、GDPは大差が無いと言われます。この違いは何でしょうか?成果が同じなら短い時間で働いた人のほうが優秀ですよね?海外企業で働く方からヒアリングすると、多くの日本企業との大きな違いは3つあるように思えます。

1.チームで仕事を遂行する
2.情報共有を徹底している
3.短期間のゴールを設定する

大きな企業であれば1についてはチーム編成が成されているかもしれません。しかし、形だけの部門だったりチームだったりすることが多いのではないでしょうか?故に、その担当者が急な休暇を取ると、誰も引き継げなく放置されてしまう。

2についてはいかがでしょうか?やはり担当者しか知らない事案が多々あるように思えます。形だけのチームであれば、資料が何処にあるかも分からず、分かっているとしても、その担当者のPCの中だったり。だから簡単に休めないのです。

最後に3について。月の目標や四半期の目標は各社、各部門で立てていると思いますが、今日の目標や今週の目標はどの程度明確化されているでしょうか?その目標を達成するために、チームでどう動くか?得意分野ごとに役割を振れば、働く時間は短くゴールに到達しやすいのではないでしょうか?

これまでの我が国の教育方針による多大な影響がありますが、既に第三次産業が中心となっており、世界の先進国は第四次産業へ移行しているという時代に、画一的な人間を育てたところで生産性は上がらなくなっています。適材適所、得意分野で仕事をさせることで、実作業は短く、様々なことを考えたり体験する時間を多く与えることで、仕事に対して効果的にリターンされるのではないでしょうか?

おそらく、10名以上の企業において1は実施されていて、3のゴール設定もやろうと思えば直ぐにでも可能なことです。もちろん、無理なゴール設定をすることは非合理的なことだと理解されていることを念頭に置いて。

つまり、一番重要なことは情報共有の見直しです。いかにテクノロジーを利用していくか?どんなに昔ながらのやり方が好きだと言ったところで、テクノロジーの進歩は止められませんし、結果は数字にも現れてきます。実際、日本マイクロソフト社は昨年の夏に週休3日制を導入して、パフォーマンスを上げることに成功したそうです。やり方を間違えなければ、チームとして合理的に機能しますし、短いゴールの実現も簡単になり、社員に心の余裕が生まれて来るのではないでしょうか?それが本当の意味での働き方改革への一歩だと考えます。