ペイパーレス後進国・日本
昨年から始まったキャッシュレス決済キャンペーン。皆さんご利用されているでしょうか?弊社で運用しているリサイクルトナー販売サイトをリニューアルして、完全にPayPal(クレジットカード、銀行口座引き落とし)による決済だけに限定してオープンしました。とはいえ、なかなか今までのような販売数には達せず、キャッシュレス化の難しさを実感しているところです。
企業活動においてペーパーレス化が実行に移されないのは、一番の障壁に契約書等に必要となる押印でしょうか。元々、日本は林業が盛んでしたし、紙が豊富だったことから、紙文化に慣れすぎてしまったことも一つの要因かもしれません。とはいえ、今や林業は衰退の一途を辿っており、紙にメモするサラリーマンも少なくなりました。それなのに押印文化だけが継続中。なぜ変われないのでしょうか?
国もペーパーレス化を推進するべく、様々な法律を作って対応しているようで、建設、金融、不動産など大きなお金が動く業界では、既に電子契約が進んでいるようです。電子契約では印紙が不要であることから、大きなお金がやり取りされる左記のような業界では印紙代の節約が大きな負荷軽減となっています。ところが、なかなか他の業界では進んでいる様子もなく、何の疑いもなく紙ベースでの契約、請求が当たり前となっています。
ところが世界を見ると環境問題と絡めてペーパーレス化が進み、先進国の多くではデジタルによる政府や自治体への申請手続きが簡単です。先進国ではありませんが、特筆すべきはバルト三国のエストニアで、国家自体が電子政府となっています。デジタルで手続き可能なものが500とも1000とも言われています。物理で繋がらず、ネットワークで繋がることにより、たとえ国が占領されても(ロシアやドイツに占領されてきた歴史があり)国は電子政府として生き残れる。つまり事業継続可能な状態を作っているということです。
そして、デジタル化=ペーパーレス化が進んでいる国と日本の大きな違いは、労働生産性でしょう。OECD加盟国の中において、世界21位。先進国の中では最下位。これが何を意味するかといえば、収益の上がらない無駄な労働が多い国ということではないでしょうか。いくら働き方改革を叫んでも、既成の慣習が足を引っ張っていては何も改善されません。今こそ企業自身が変わらないと、本当にオワコン日本になってしまうのではないでしょうか?
【参照】日本生産性本部報告書
加えて、ペーパーレス化を行うことが地球の環境改善につながり、急速に広がる気候変動の促進を抑えることにつながり、気候変動から年々増加している自然災害の驚異を抑えることになります。最終的にはそれが事業継続(というより人類の継続でしょうか)を可能にすることに戻ってくるのではないでしょうか。もちろん、1社が実践したところで何も影響はありませんが、始めなければ改善もありません。ペーパーレス化に限らず、環境問題対策において日本は世界から白い目で見られていることも事実です。
横並びに安心する日本人は、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」を継続するのか、新たに一歩を踏み出せるのか、大きな節目に来ているのではないでしょうか?